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【一級建築士試験】都市計画と都市理論まとめ

一級建築士試験において出てくる都市計画と都市理論をまとめてみました

勉強される方は、参考にしてください。

 

 

クラレンス・アーサー・ペリー 「近隣住区論」

小学校の校区を標準とする近隣住区を基本単位として住宅地を構成する理論。

  • 小学校を中心とした人口と面積とする
  • 幹線道路を近隣住区の外に配置して、近隣住区内の交通量を少なくする
  • 公園などを、近隣住区内に10%以上確保する
  • 近隣住区の中心に、小学校や教会、裁判所などを配置する
  • 近隣住区の周辺部に隣接住区と隣り合うように商店街を配置する

 

エベネザー・ハワード 「明日の田園都市」(イギリス)

都市の利点と田園の魅力の両方を持つ、人口32,000人の小都市を中心都市の郊外に配置して衛星都市とする理論。

例として、ロンドン郊外のレッチワースとウェルウィンが挙げられる。

 

パトリック・ゲデス 「進化する都市」(イギリス)

工業都市の問題を生物学の基礎のうえに展開し、都市人口、雇用、生活などを数量的に分析し、調査と分析に基づく科学的な都市計画技術を唱え、都市計画行政に大きく影響を与えた。

 

トニー・ガルニエ 「工業都市」(フランス)

鉄筋コンクリート構造の建築物による計画を構想した。人口35,000人ほどの工業都市計画をフランス南東部に提案した。

 

ジョルジュ・ウジェーヌ・オースマン 「パリの改造計画」

大通り、広場などの整備や不良建築物の除去などを行い、現在のパリ市街の骨格をつくった。建築物に統一感を持たせるために、大通りに面したビルの高さなどを定めた。明治時代の東京の都市計画にも影響を与えた。

 

CIAM近代建築国際会議) 「ラ・サラ宣言」

スイスのラ・サラにおいて、グロピウス、ル・コルビジェ、ギーディオンらにより、近代建築運動の新たな発展が議論された。

 

ル・コルビジェ 「300万人のための現代都市」「パリのヴォワザン計画」「輝く都市」「ユルバニスム-明日の都市」

「300万人のための現代都市」は、自動車時代に対応して、様々な都市の活動を居住。労働・交通・快適性に分類して計画したもので、中心部に高層のオフィス街を配置し、鉄道は地下にするものとして、現代の超高層ビルをと交通を予見している。

「パリのヴォワザン計画」は、一部の歴史的建造物を保存しつつ、古い街区や建築物を大規模に取り壊し、幹線道路などを整備したうえで、超高層ビルに建て替える提案をした。

「輝く都市」は、機能主義の立場から高層建築、幾何学的な道路パターン、公園やオープンスペースなどの緑で構成された都市。

 

クラレンス・スタイン,ヘンリー・ライト 「ラドバーン方式」(アメリカ)

近隣住区論に基づいて、自動車時代の都市としてニュージャージ州ラドバーンに実現された。住区内の通過交通を排除したスーパーブロックを採用した。自動車専用道路であるクルドサックや歩行者専用道路であるペデストリアンウェイを設けることで、完全な歩車分離を実現した。団地計画の基本的な考えとなり、世界各国の住宅計画で採用されている。

 

オスカー・ニーマイヤー,ルシオ・コスタ 「ブラジリア」

ブラジルの首都計画で、ジェット機型の平面形状をもち、胴体に当たる南北軸には公共施設を配置して、翼に位置する東西軸には居住地区が配置されている。

 

「キャンベラ」(オーストラリア)

オーストラリアの首都計画で、河を塞き止めて人工湖に変え、3つの都市機能(中央官庁、市政庁、商業機能)を三角形の頂点に配置して都心部を形成する。その外側に住宅地を形成している。

 

コンスタンティノス・ドクシアディス 「エキュメノポリス,メガロポリス」(ギリシャ

都市学者であるドクシアディスは、人間定住社会の空間単位の最も大きい単位として、都市化地域 が全体に広がり、網目状に連続した状態のエキュメノポリス(世界都市)を提案した。その下の単位としてメガロポリスがある。

 

ジャン・ゴットマン 「メガロポリス」(アメリカ)

地理学者であるゴットマンは、アメリカのボストンからワシントンにかけて巨大都市圏が連続して、経済、社会、文化などの機能が相互に一体化している地域をメガロポリスと定義した。

 

コリン・ブキャナン 「ブキャナンレポート」(イギリス)

 イギリスの都市内の道路交通政策に関して総合的に研究し、「ブキャナンレポート」を発表した。その中で、交通計画の指針を示すことで、自動車の通過交通から守るべき「居住環境地域」を定義し、その後の道路交通政策に大きな影響を与えた。

 

ジェイン・ジェイコブス 「アメリカ大都市の生と死」

ジャーナリストであるジェイコブスは、戦後のアメリカで急速に進んだモータリゼーションや不適切な都市開発による荒廃に警鐘を鳴らし、都市が魅力的で活力ある場として機能するために必要な要素として、「地域が複数の機能を持つこと」「古さや条件が異なる建物が混在していること」「十分な密度で人がいること」を提示している。

 

ローレンス・ハルプリン 「ニコレット・モール」(アメリカ)

 ミネアポリスの商業地にあるトランジットモールがある。トランジットモールとは、一般の自動車の進入を制限し、バスや路面電車などの公共交通機関と歩行者が共存してつううこうすることができる街路である。

 

ケビン・リンチ 「都市のイメージ」(アメリカ)

著書「都市のイメージ」にて、都市空間から抽出される都市のイメージを構成する要素として、移動路(パス)、境界(エッジ)、地区(ディストリクト)、目印(ランドマーク)、結節点(ノード)の5つを提示した。

 

「ボンエルフ」(オランダ)

オランダで試みられた歩車共存方式のコミュニティ道路であり、車の速度を落とすために蛇行させたシケインや凹凸を付けるハンプなどの工夫がある。 

 

ゴードン・カレン 「都市の景観」

都市の景観の価値を、歩行者によって体験されるシークエンスの中に見出そうとした。

 

ロバート・ヴェンチューリ 「ラスベガス」

 ラスベガスの都市景観の多様な空間要素を記号論的な視点から分析し、建築の象徴性、モダニズム批判などに展開した。

 

「デファンス」(フランス)

パリでは、歴史的市街地の保存と人口増大に対応できる新開発地域を両立させるために、シャンゼリゼ 通りを北西方向に、セーヌ川を越えたデファンスまで延長し、新都市開発を行い、住居地区と事務所地区を整備した。

 

ルイス・マンフォード 「都市の文化」

集落や自治体としての成立から今日の無秩序な都市にいたるまでの経過を顧みて、都市の開発計画やコミュニティ、役割などを、中世から現代までの都市のあり方を総合的に考察した。

 

クリストファー・アレグザンダー 「パタン・ランゲージ」

「都市はツリーではない」という論文を発表し、設計された人工都市は単純なツリー構造であり、長い間に形づくられた自然都市の複雑な構造とは異なると指摘した。世界各地の建築物や都市の例から、人々が快適と感じるパターンを取り出し、それらを構成することにより美しい住まいやまちなみをつくり、そのパターンを見いだすのは住民であり、その助けを行うのが建築家であるとしている。

 

レム・コールハース 「錯乱のニューヨーク」

マンハッタンの超高層建築(摩天楼)に注目し、空間の最大効率化をめざす「過密」の原理に基づいており、「マンハッタニズム」と定義した。